上半身優位と下半身優位の投球
※前置きですが、これはあくまで私の仮説です。経験に基づくもので根拠はありませんので、その点を踏まえてお読みください。
少年野球で投手を目指す子供たちには、2タイプいるように考えています。
その分類として、子供達の筋力に焦点を絞ります。
「子供達の筋力が、上半身優位なのか、下半身優位なのか。」
その子供の強い筋力に応じて傾向と対策をすることで、最短経路の成長戦略を練りたいというのが、今回のお話です。
分類による傾向と対策
それでは、分類による傾向と対策をまとめていきたいと思います。
上半身優位な子の投球傾向
下半身よりも上半身の筋力が強い子供達の傾向として、
- 球速が速い
- 他の子より遠投ができる
- 制球力が低い
- 怪我をしそうなフォーム
というような傾向が見受けられます。
上半身の筋力が強い子供達は、他の子供達が羨むような速い球を投げ込むことができます。
更にはソフトボール投げなどでも学年で上位にくるような成績を収めたりすることがよくあります。
その一方で、なかなか投げてほしい所にボールが来てくれません。
更には上半身の力で投げるため、肩・肘に負担がかかっていそうな投球フォームで投げる子が多いです。
我が家では次男がこの傾向にあることから、長男以上にケアをしながら見守るようにしています。
上半身優位な子向けの対策
上半身優位な子向けの対策として、以下のことを留意して対応しています。
我が家においては、次男に向けたメニューです。
- 下半身の筋力トレーニング
- 下半身と回転を意識するストレッチ
- 連動と下半身を意識したシャドウピッチング
まずは下半身の筋力トレーニングです。
上半身優位であるということは、下半身の筋力が上半身に追いついていないことから起きるものと推察をしています。
スクワットやランジ、ジャンプ系のトレーニングなどを取り入れて下半身の筋力向上を図ります。
続いて筋力トレーニングと合わせて、下半身や回転を意識したストレッチも行います。
これは、下半身と横回転をする柔軟不足から、身体が連動しないために上半身の力に頼った投球になってしまうのではないか、という私なりの仮説に基づくものです。
最後に取り入れるのは、シャドウピッチングです。
まずは上半身と下半身を分けた形でシャドウピッチングを行います。
その後、上半身と下半身連動を意識しながら全身でシャドウピッチングを行います。
できれば鏡を見ながら投げ込めるのが良いですが、環境がない場合には動画撮影をしながら取り組むのが良いでしょう。
下半身優位な子の投球傾向
私が考える下半身優位な子の投球傾向は、以下の通りです。
- 球速が遅め
- コントロールは良い
- フォームは比較的綺麗に投げる
上半身優位な子の逆説的な特徴にもなりますが、長男はこっちのタイプです。
下半身がしっかりしているからか、比較的上半身優位で投げる子よりも綺麗なフォームで投げる子が多いように思えます。
言い換えると上下半身の連動がしっかりしているとも言えます。
その一方で、投げ下ろす時の力不足からか球速があがりません。
無理に速い球を投げようとすると、投球時に肘が下がったり、バランスを崩す要因になるため注意が必要です。
特に肩や腕の筋力が弱いと、球筋がシュート回転気味にならず、失速しやすいカーブ回転気味の直球になる傾向があります。
下半身優位な子向けの対策
それでは対策として、どういったものが考えられるか、という点に言及します。
私が思う対策としては以下のようなものがあります。
- 上半身(特に腕・肩周り)の筋力向上とストレッチ
- スナップスローを意識した投球練習
- 上半身中心のシャドウピッチング
まずは、上半身(特に腕・肩周り)の筋力トレーニングとストレッチです。
小学生のうちは自重トレーニングで十分ですので、腕立てや懸垂をおこなったり、鉄棒やぶら下がり、棒登りなどは有効だと考えています。
加えて、握力がなさそうな印象であれば、握力を向上させるトレーニングを取り入れても良いかもしれません。
下半身優位の筋力を持つ子は、肩周りの柔軟が硬かったりすることがあります。そのため、肩甲骨周りのストレッチを入念に行うことが良いとも考えています。
そして、上半身を意識したスナップスローの練習も取り入れます。
近い距離で膝をついた状態になり、スナップスローを意識した投球を行います。スナップスローは肩・肘に負担が強い投げ方になりますので、カラーボールやブニブニボール、穴あきボールなどでやると良いと思います。
3点目は、上半身中心のシャドウピッチングです。
下半身優位の子は土台の力が強いので、上下連動させると綺麗なフォームに見えますが、上半身だけのシャドウピッチングを行うと、案外連動していなかったりします。
そこで、足を広げた状態で腰を沈め、上半身を中心としたシャドウピッチングを行います。
上半身側のシャドウピッチングの回数を多めに行った後に、改めて全体でのシャドウを行うことで全体の連動具合を見ると良いでしょう。
冬場がフォームを見直す良い時期
春先や夏場に投球フォームを見直すと、その見直しが原因で調子を崩すことがあります。
そのため、冬場に筋力トレーニングやストレッチを行いつつ、投球フォームを見なすことが良い、と考えています。
というわけで、今の我が家では、まさに上述したトレーニングを、長男・次男向けに行なっています。
初めてからまだ間もないため大きな変化は見られませんが、3月頃には成果が表れることを期待し、継続してトレーニングを続けていきます。
フォーム改善は一朝一夕ではできません。
子供達としっかりと向き合う意識で指導する側も取り組んでいきます。