パーパスを規定するために

本記事は、『PURPOSE パーパス 「意義化」する経済とその先』(岩嵜 博論、佐々木 康裕著、以降本書とします。)からの学びをまとめています。

本書はパーパスという言葉を理解したいと思い読み始めた一冊です。今回はパーパス規定の4つのプロセスについてまとめます。まずは総論です。

パーパスを中心の置く

パーパスとは何か」の中で、パーパスが何故必要なのかをまとめました。

その中で、パーパスとは企業が存在するためのWHYに応えるようなものであると、私は捉えています。

であるならば、自社が行うビジネスにおいて、パーパスとはそのビジネスの中心・もしくは芯になるようなものであると捉えることができます。

今後のビジネスは、自社を中心に置き、自社だけの利益を追求するようなビジネスではなく、パーパスをビジネスの中心に据えながら、多様なステイクホルダーたちと一緒に、ある種のエコシステムを構築していくことが必要になる。

本書では上記のように述べており、パーパスを中心に据えたビジネス展開の必要性を説いています。

真のゴールとは

本書ではパーパスに関して、興味深い表現を用いています。

パーパスは決めることがゴールではない。パーパスをもとに組織が動的に駆動することが真のゴールだ。

そのためには、まずは組織の中の多様なステイクホルダー、そして組織の外のステイクホルダーとの対話を通じて、編み上げるようにパーパスを生み出す必要がある。

印象的だったのは、この編み上げるという表現です。

パーパスとは経営者一人がこれだと決めるものではなく、経営者や株主、従業員などのひとりひとりの思いを込めるべきであるということを、この編み上げるという表現でうまく表しています。

そのためには、パーパスを適切に表現する言葉を探索することが必要となってきます。

それでは、パーパスを規定にするためにはどうすべきなのか。

本書では、以下のプロセスを通じてパーパスを規定すると良いとしています。

パーパスを規定するための4つのプロセス

パーパスを規定するには、4つのプロセスで構成されるとしています。以下に引用させて頂きます。

パーパス規定のプロセスは大きく次の4つの要素で構成される。

STEP1:自組織の探索
STEP2:社会の探索
STEP3:統合と言語化
STEP4:具現化

このプロセスのイメージを図にしたものが以下となります。

(本書で紹介されている図を引用させて頂いています。)

4つのプロセスの流れ

私が理解した中でとなりますが、これら4つのプロセスの流れを説明していきます。

最初に行うプロセスは、内と外の探索です。

内の探索として「自組織の探索」を行います。

「自組織の探索」では、自社の中で大切にされている価値観などを探索していきます。

続いて、外の探索として「社会の探索」を行います。

社会の変化を捉え、社会から求められているものを探索します。

この両方の探索を終えたら、その探索から抽出された要素を統合して、パーパスの幹となるコンセプトを作ります。

そして、そのコンセプトをもとにステートメントを明文化します。

これが「統合と言語化」です。

そして最後に言語化されたコンセプトやステートメントを具現化するために、ビジュアル化や映像化などの形で具現化します。

このプロセスが4つ目の「具現化」にあたります。

これら4つのプロセスを通じて、パーパスが文字となり形となって出来上がります。

次回、この4つのSTEPをもう少し掘り下げて、学びをまとめていきたいと思います。