両利きの経営

『両利きの経営』(チャールズ・A・オライリー、マイケル・L・タッシュマン著、以降本書とします。)を読み終えました。

入山章栄さんの書かれた、『世界標準の経営理論』を過去に読んだことがきっかけで本書を手にとりました。学ぶべき内容が豊富で事例も面白いものが多く、読んでいて退屈するような時間はありませんでした。

今回はその『両利きの経営』の一冊を紹介します。

概要紹介

本書で最も重要なキーワードとなるのが「探索」と「深化」です。

「探索」とは市場や技術動向を見据えて、既存事業とは異なる、新たな事業を認知し事業化までを実現する行為で、「深化」は既存事業を磨き、顧客がさらに利用しやすくなるように改善を続けるような行為であると、私の中では捉えています。

(あえて自分の言葉で書いています。正しい定義は探索と深化の記事にてまとめました。)

クレイトン・クリステンセン氏著の『イノベーションのジレンマ』が発刊された当時は、探索と深化は同時に行えない、探索における事業は切り出して行うべきだという主張が強かったようです。

一方、本書における主張は、探索と深化は同時に行うことが可能で、この両方のバランスを取って事業活動を行うべきであるというものです。その主張を豊富な事例を基に説明をしているのが本書です。

私個人的には、アマゾン、IBM、シアーズの事例は印象的でした。

本書からの学び

本書からの学びは一度ではまとめきれないと考え、複数回に分けてまとめています。以下が記事へのリンクとなります。

感想

本書を通して、探索と深化の必要性を知る一方で、それを実現するための経営陣の努力と難しさを学ぶことができました。

経営学初心者の私にとっては、全体を通し読み応えのある一冊でしたが、得られたものは大きかったと感じています。

私は事業活動における深化を支える側の仕事をしていますが、経営陣からみれば探索と深化の事業両方が重要で、バランスを取る必要があることから、事業活動を俯瞰した視点で見ることができるという点においても、役に立つ一冊であると感じています。

加えて、本書を読んでいくことで経営学への興味を高めてくれた一冊にもなりました。