卒部生へ -本気で甲子園という地を目指すなら-
3月28日に私の所属する少年野球チームの卒部式行われました。
これから新しいステップを歩むもうとする卒部生への最後のメッセージとして何を話したら良いか悩みましたが、過去と未来を意識したメッセージにすることとしました。
最終的には
- これまでを振り返って
- 『やり抜く力』の重要性
- 未来を歩む君たちへ
- 怪我をしないための身体作りを
- 自分で考え、決めることのできるように
という、3つの内容で話すことにし、番外編として、
- 本気で甲子園という地を目指すなら
という内容も懐に秘め、状況によって話そうと思っていました。
今回は卒部生へ、より具体的な目標をイメージしてもらいたいという思いから、『本気で甲子園という地を目指すなら』と題し、記事としてまとめます。
本気で甲子園という地を目指すなら
まず初めにお話したいこと、それは、甲子園という舞台は生半可な気持ちで立つことはできないということです。
厳しく聞こえるかもしれませんが、それ程にハードルの高い目標です。
ダイヤのAというアニメを知っているでしょうか。私はあのアニメが大好きで、子供達と何回も繰り返し見ています。
その中で『伊佐敷 純 (いさしき じゅん)』さんという方が話した内容がとても印象的で、心に残っています。
誰もが気軽にいける場所を誰がわざわざ目標にするんだよ 難しいから挑戦する 簡単に達成できねえから夢なんじゃねーか
非常にアツく、私の胸に響いた言葉です。
これ程の想いを持った人でも、最終的に甲子園という舞台に立つことはできませんでした。しかし、彼の心に秘めた想いは素晴らしいものがあると私は考えています。
今日、卒部を迎える君たちの胸の中に、もし彼と同じように大きな夢を持つ人がいるのであれば、その夢に向かって全力で挑んで下さい。
甲子園という地を目指すという夢を持ち、努力を重ねるという事自体が、あなた自身を大きく成長させてくれるはずです。きっとその夢が、あなた自身を動かす原動力になってくれます。
その一方で、具体的な目指すべき姿が見えず、闇雲に練習をしていても遠回りをしてしまう可能性が高いです。
そこで私が伝えたいこと。それは、
高い意識と大きな夢を持って野球に取り組みたいとする、君たちへの具体的な指標、目指すべきゴール
です。
スカウトの立場での指標
横浜高校を長年支えてきた小倉清一郎(おぐらきよいちろう)さんが執筆された、「小倉ノート」という本があります。
この小倉清一郎さんという方は、甲子園常連校である横浜高校で、監督や部長を歴任された方で、将来横浜高校で活躍をする、未来の高校球児をスカウトするということも行っています。
その中で、わかりやすい指標を話してくださっており、それを君たちに引用という形で伝えます。
スカウトする側が見る良い選手とは
- バッターは「強肩」、「俊足」、「振る力」
- 強肩:中学3年生で「遠投90メートル」
- 俊足:「50メートル6秒フラット」
- 振る力:「880グラムぐらいのバットを振れる」ように
- 守備は股関節が柔らかいか、股が割れるか
- ピッチャーは「130キロ」か「決め球となる変化球」が判断基準
であるとのことです。
これを聞いて無理だと思った人がいるかもしれません。本当に高い目標だと思います。
しかし、君たちにはあと3年あります。
確かに1ヶ月や2ヶ月では無理でも、3年かけて挑戦すれば達成できるかもしれないと思いませんか。
この現実を理解した今がスタート地点です。
甲子園という地を目指すのなら、この指標を頭の片隅に入れ、目標として頑張ってみて下さい。
たとえ達成できなかったとしても、その難しい目標に挑戦し成長した君たちがそこにいるはずです。
繰り返します。
甲子園という地を目指すという夢を持ち、努力を重ねるという事自体が、あなた自身を大きく成長させるということを忘れないで下さい。
以上が私の伝えたい最後の言葉です。
これから約5年後、高校生になった君たちが、甲子園という舞台で活躍している姿を楽しみにしています。
おわりに
卒部式というのは、私にとっても大切な時間となりました。恐らくこの日を忘れることはないでしょう。
この1ヶ月半、卒部式に向けた諸々の準備をしてきました。大変ではなかったと言えば嘘になります。
しかし、卒部生の笑顔と保護者の皆さんの涙を見たことで、そんな苦労が簡単に吹き飛ぶくらいにやって良かったという思いが私の頭の中を駆け巡りました。
野球を通じ、人生の節目に立ち会う事ができたということが、これほどまでに幸せなのかと感じさせてくれた一日でした。
あと一年すれば、今度は長男が巣立っていく番です。
一つ上の先輩の卒部式で泣いてしまっている私が、長男の卒部式を無難に乗り越えられる自身がありません・・・。
ですが、いつか必ず旅立ちの日が来るということをしっかりと受け止め、長男の最後の一年を共に歩もうと思います。