直感と論理をつなぐ思考法

今回はビジョン思考という新しい思考法を推奨する一冊からの学びです。その考え方は実際のビジネスにおいても有用な思考法になりうると考えています。

本書を読もうとしたきっかけ

デザイン思考という言葉からつながって、本書にめぐり逢いました。

仕事につながる思考法を学ぼうと思い手に取りましたが、大きな学びを得た一冊でした。

著者について

佐宗 邦威(さそう くにたけ)さんという方が書かれた一冊です。BIOTOPE社のCEOを務められています。

本書自体はデザイン思考の本ではありませんが、デザイン思考に関連する書籍を多数執筆されています。

全く異なる方が書かれた書籍でデザイン思考の話になった際に、この方の名前が挙がっていましたので、日本でデザイン思考の第一人者といえばこの方というくらい著名な方です。

読書からの学びや気づき

ここからは本書からの学びや気づきをまとめていきます。

ビジョン思考を学ぶ背景

本書の中心論点となる、「ビジョン思考」という言葉。その思考を生み出すきっかけに背景は、VUCAの時代(簡単な説明はこちら)における脅威から来ているものと捉えています。

  • VUCAの脅威
    • VUCAの時代となり、世の中の見通しがつきづらくなっている
    • 「正解がない時代になった」だけではなく「正解が存在しなくなった」

「いかに答えを探すか」ではなく、「そもそも答えなどない」という前提で動くことが、大半の人・組織に求められるようになった現代で、有用な思考法とはどういうものか、

そういった視点から、「ビジョン思考」というものは生まれたようでした。

ビジョン思考

ここからは「ビジョン思考」という言葉についての学びをまとめていきます。なるべく私の言葉に落とし込んで書くことを心がけて文字に落としていきます。

ビジョン思考とは

そもそもビジョン思考とはどういったものなのか、それは、

(こうでありたいという)ビジョンを駆動力にしながらも、同時に「直感」を「論理」につなぎ、「妄想」を「戦略」に落とし込むための思考のモードのこと

と、本書では定義づけており、「妄想(その人の頭の中にあるアイデア)」を具体的に落とし込むための思考法だとしています。

本書から私が捉えた特徴としては、ビジョン思考の特徴としては以下のようなものがあげられます。

  • 個人的な関心からスタートして創造性をドライブさせる
  • ビジョン思考は右脳モードと左脳モードを往復する性格を持つ

まず大切なものは、「妄想」を具体化させることが重要で、そのきっかけは自分自身が抱く個人的な関心からくるものです。

そして、

その個人的な関心から始まった「妄想」をカタチにするために右脳的な考え方と左脳的な考え方を使って思考を深め、「戦略」にまで落とし込むために活用ができる思考法がビジョン思考でると私は捉えました。

最初は「つまらない妄想」からはじめたほうがいい

本書では、最初はつまらない妄想レベルから始めたほうが良いとされており、

時代を変えるイノベーションですら、誰でもすぐに思いつくような陳腐な着想からスタートしていることも珍しくない

と言っています。

時代を変えるようなイノベーションも、誰もが思いつかないような発想から生まれるたわけではなく、重要なのは「新結合」を起こすことであるとしています。

重要なポイントは2つで、

  • 妄想の「切り口を変える」というのは、まったく別の独創的なアイデアを付け加えることではない
  • その妄想が持っている要素に「組換」を与え、「新結合」を起こすこと

だとしています。そして、この「組換」というのがキーワードになってきます。

新しいモノを生み出すために、どうやってその妄想が持っている要素に「組換」を行い「新結合」を起こすのかというのが重要になってくるというのが、私が捉えた本書のポイントです。

では、この「組換」とはどういったものなのか。

今回の記事はここまでとし、次回にて「組換」についての私の理解をまとめたいと思います。

第二回:「妄想」の「組換」を考える