「妄想」の「組換」を考える

今回はビジョン思考という新しい思考法を推奨する、「直感と論理をつなぐ思考法」という一冊からの学びです。その考え方は実際のビジネスにおいても有用な思考法になりうると考えています。

今回は本書における読書からの学びや気づきをまとめる二回目となります。

前回の記事で、ビジョン思考を学ぶ背景やビジョン思考とは何かということを書きました。

今回はその中の重要な論点である「組換」についてまとめます。

読書からの学びや気づき

それではここからは具体的に「組換」とは何なのかをまとめていきたいと思います。

そもそものビジョン思考とは何なのかを知りたいという方は、前回の記事を参照下さい。

組換 = 分解 + 再構築

ビジョン思考で重要な考え方となる「組換」とは、簡単な等式であらわすことができ、

組換 = 分解 + 再構築

で表されます。 ビジョン思考で考える時は、この等式に基づいて考えることが重要になります。

「組換」における「分解」とは

それでは、ここでいう「分解」とは何かについて考えます。

自分の中にあるカタチにしたい「妄想」が生まれてきて、何かしらの「戦略」や「サービス」であったり、「プロダクト」を生み出したいと考えているとします。

ですが、そのカタチにしたい「妄想」に色々な要素が混ざり合っていたら、そこからなにか生み出すことは難しく至難の技です。

そこでまず行うべきことが、「分解」です。

本書の言葉をお借りすると、

対象を構成する要素が渾然一体となったままでは、組換は行えない

と言っており、その「妄想」はどういった要素で構成されているのかを考えていく必要があります。

それをわかりやすく要素に分解することで、自分が考えた「妄想」がどういったモノで構成されているかを理解することが出来ます。

この営みが「組換」における「分解」です。

「分解」のあとには「再構築」

「分解」を行うと、自分の考えていた「妄想」がどういった要素で構成されているのかが見えてきます。

そこで次に行うのは「再構築」という作業です。「組換」における「再構築」というのは、

もともとあった姿とは別のかたちに組み直す工夫

です。

いつも自分とは異なる視点や観点で対象を見ることで、別の形に変化をさせるきっかけをつかむことが、「再構築」が行われます。

この「再構築」を行うことで、これまでに生まれたモノとは異なる何かを生み出すために必要な着想を得られるようになります。

「組換」から良いアイデアを

これまでにまとめてきた、「分解」と「再構築」を行っていくと、自分が考えた「妄想」に対し「組換」が行われ、自分の「妄想」より洗練されていきます。

本書では、

分解・再構築を踏むことで、個人レベルの着想(=妄想)には客観性が付与され、より「アイデアらしく」することができる

と説明しています。

この「分解」と「再構築」後には、自分が考えた「妄想」がかなりカタチになっているのではないでしょうか。

私も本書を読んで、何かアイデアをまとめるときには、この「組換」の等式に基づいて考えてみようと思うようになりました。

「分解」や「再構築」を行うために

本書の中では具体的にどういった方法で「分解」や「再構築」をすればよいのかにもきちんと答えて下さっています。

キーワードだけを拾うと、

  • 「分解」 ・・・「可動式メモ術」、「違和感ジャーナル」、「あまのじゃくキャンバス」
  • 「再構築」・・・「アナロジー思考」、「アナロジー式「アイデア・スケッチ」」

といった方法などが紹介されています。

内容はすぐにでも実践できそうな内容が多く、この部分だけを読むだけでも良い学びになると感じました。

ここまできたら、次のプロセスは「表現」するというプロセスになります。

次を最終回として、「表現」に関する内容を次回まとめたいと思います。