涙の先に見えた笑顔 その一

10月末から11月にかけて、長男の少年野球の予定が忙しく色々な経験をさせてもらいました。

今年はコロナ影響を受け、一般的に秋季大会(新人戦)と呼ばれる大会が10月に流れたため、6年生主体の大会との予定とも相まって、毎週試合が続くようなスケジュールとなりました。

話はその新人戦の二回戦から始まります。

格上との相手にどこまで戦えるか

何とか一回戦を勝利したものの、二回戦の相手の前評判では実力は明らかに相手が上でした。

ですが、先発が予想されていた長男が安定したピッチングをして、打たせて取る展開ができれば勝機はある、そう心の中で思っている私がいました。

「絶対は無い、どこかに勝機はある。」

そう信じつつ試合開始を迎えます。

後攻のため長男がマウンドへ向かい、試合が始まりました。

完璧に打ち込まれた二回の表

初回は何とか3失点で切り抜けたものの、問題は二回の相手チームの攻撃でした。

その回の先頭と次のバッターは内野ゴロにするものの、守備のもたつきのうちに2連続の内野安打、更には二者連続のデッドボール。

その後クリーンナップに回り、スリーベースとホームランを打たれるなどで、最終的にはこの回だけで11失点を喫しました。

正直に言って、見ているのも辛い試合展開で、全てが噛み合わないような感覚で二回表の相手の攻撃が延々続きます。

何とかスリーアウトを取って帰ってきた長男を励まそうとフェンス越しから様子を見ると、その頬には涙の流れた後がありました。

「この悔しさを忘れるな。」

二回を終えて帰ってきた長男を見て、私は一言だけ伝えました。

「この悔しさを忘れるな。」

私はその一言だけ告げ、また元いた応援席に戻りました。

放心状態でマウンドから戻って来たため、私の声が聞こえていたかはわかりません。

ですが、今のこの現状をしっかりと受け止めて這い上がって欲しいと願い、告げた一言でした。

チーム動きが噛み合えば戦える

二回の裏の攻撃で落ち着きを取り戻したのか、それとも相手チームが十分に点を取り、手を抜いてくれたはわかりません。

ですが三回、四回の試合展開は明らかにこれまでとは異なっていました。

バッター5番から始まった三回は、サードの送球エラーで出塁はあったものの、全てのバッターを内野ゴロとフライで抑え、4人で簡単に抑えます。

その後の四回もデッドボール、1ヒットはあったものの、3番、4番バッターを内野フライ、内野ゴロに抑える好投で難なく切り抜ける事ができました。

最終的には四回コールドでの完敗でしたが、前半二回と後半二回を見て感じたことは、

「チームの動きが噛み合えば戦える。」

という事でした。

長男はコントロールで相手を抑えるタイプのピッチャーです。タイミングをうまく外して打たせて取ることが重要になってきます。

一球一球丁寧な投球を続け、打たれてもバックを信じて投げ抜く事ができれば、今回のチームのような格上との相手ともやり合っていけると感じました。

守備を守る他の子供達も荒削りで、イージーフライを落としたり、送球ミスをしたりという状態ですが、この冬を通して個々人のレベルアップを図れば春にはもっと良い試合展開ができる。

そう感じさせてくれた一戦となりました。

悔しさをバネに次の試合へ

試合を終え帰ってきた長男は、今までになく悔しそうな表情をしていました。

やはり二回の11失点は相当に辛かったようで、上位打線に打たれた事を特に気にしていました。

時間をかけて悔しさを消化する

いつも私と長男は振り返りも含めて一緒にお風呂に入るのですが、今日の試合については細かい事は言わず、

「今日の悔しさを忘れずにまた頑張りなさい。

一試合一試合の経験が自分を強くしてくれるから。」

とだけ伝え、その悔しさの消化は長男本人を信じ待つ事にしました。

そしてこの翌週、長男にとって大きな成長の一歩を踏み出す事になります。

次の記事で、長男の成長を綴りたいと思います。

続きはこちら→ 涙の先に見えた笑顔 その二