反応しない練習
今回の読書は怒りや不安、悩みをどう解消していくを教えてくれる一冊です。きっとアンガーマネジメントにも通ずるものがあるのではないかと感じています。
本日はそんな良書からの学びをお届け致します。
本書を読もうとしたきっかけ
アンガーマネジメントに通ずる一冊を読みたいと思い探していた時に出会った一冊です。
アンガーマネジメント的には直球な一冊ではないのかもしれませんが、Amazonの評価が高かったのと、感情をうまくコントロールするのに先人の知恵を借りることは有効だろうと読むことを決意しました。
著者について
草薙 龍瞬(くさなぎりゅうしゅん)さんという方が本書の著書となります。僧侶の方で、興道の里の代表をされてい方です。
東大法学部を卒業後、「生き方」探求のためにミャンマー国立仏教大学、タイの僧院にも留学のご経験がある方です。
読書からの学びや気づき
ここからは読書からの学びや気づきを書いていきたいと思います。一点誤解が無いように先に書かせていただきますと、著者は僧侶の方ですが、内容は万人の方に通じる内容となっています。
途中ででてくるブッダの言葉の引用がが本当に素晴らしい言葉だと感じています。
- どんな悩みも解決できるシンプルな“考え方”がある
- ブッダの教えとは、「心のムダな反応を止めることで、いっさいの悩み・苦しみを抜ける方法」のこと
- 悩みを無くそうとしない。「理解」する
- 「人生には悩み・問題がつきものだ」という現実を最初に受け入れる
- ブッダの悩み・問題の解決手順“四つの心理”
生きることには〝苦しみ〟が伴う。
苦しみには〝原因〟がある。 苦しみは”取り除くことができる”。
苦しみを取り除く〝方法〟がある。
- 「苦しみの原因は“執着”にある」
- 悩ましい現実を作り出しているのは“心の反応”である
- 心の反応こそが人生のトラブル、悩みを引き起こしている
- 「闘って勝てる」ことは、人生にはほとんどない
- どんなに地位や権力や財産を手に入れても「ままならない現実」は、いつもありつづける
- 良し悪しを「判断」しない
- 人間の心には、例外なく、判断しすぎる心がある
目覚めた者は、人間が語る見解、意見、知識や決まりごとに 囚われない。
彼は、善し悪しを判断しない。判断によって心を汚さない。心を汚す原因も作らない。
- 人が苦しみを感じるとき、その心には必ず「執着」がある
人は三つの執着によって苦しむ。①求めるものを得たいという執着(だがかなわない)。②手にしたものがいつまでも続くようにといういう執着(やがて必ず失われる)。③苦痛となっている物事をなくしたいという執着である(だが思い通りにはなくならない)。
- 誰かを苦しめている「こうでなければ」という判断、期待は「勘違い」
- 目の前の現実の方を中心にすえて、よく理解するように努めて、みんなが幸せに生きていけるような生活を一から作っていくことが正解
- 苦しみがある。でも取り除くことができる。取り除く方法がある
- その「方法」を原始仏教では「道」と表現する
- 「道を生きる」=「苦しみを生んでいる判断を手放そう」という決意に立って、その「方法」を実践する
財産や容姿は不燃の宝でない。求めるものは得られぬことが多い。しかし、道だけは心のままである。これを実践すれば、心を害するものはない
- ブッダの考え方のポイント
- 「世間にはこういう人もいるかもしれないが、わたしはこうしよう」と、他人と自分との間にきっちり線を引いている
- 「人は人。自分は自分」という明確な境界線を引く
- 「世間にはこういう人もいるかもしれないが、わたしはこうしよう」と、他人と自分との間にきっちり線を引いている
- 落ち込まない。自分を責めない。振り返らない。悲観しない。それより、今を見すえて、正しく理解して”ここからできること”に専念する
「自分は優れている」とも、「劣っている」とも、「等しい」とも判断するな。さまざまな言葉を受けても、自分の価値を判断しないようにせよ
- マイナスの感情で「損しない」
- 「反応しないことが最高の勝利」
- 仏教における勝利とは、相手に勝つことではない。「相手に反応して心を失わない」ことを意味する
- 相手との関わり方の原理原則
- 相手のことを「判断」しない
- 過去は「忘れる」
- 過去を思い出して、「記憶」い反応して新しい怒りを生んでいる。ーそれが、いつまでも怒りが消えない本当の理由
- 相手を「新しい人」と考える
- 「理解し合う」ことを目的とする
- 「関わりのゴール」を見る
- 「反応しないことが最高の勝利」
苦しめ合うために、かかわっているのではない。
理解し合うために、お互いの幸せのために、関わっているのだ
- 他人の目から「自由になる」
- 他人の目が気になる心理の正体は「承認欲」
- 「承認欲」を満たしたいなら、そのための「正しい努力」をする。
- 三つの条件
- 認められたい気持ちをモチベーションにして、今の仕事・生活を「改善」していく
- どんなときも「自分のモノゴトに集中」する
- 「自分で納得できる」ことを指針(基準)とする
本書では、ビジネスやスポーツの世界で活躍することを目指すにあたって、「承認欲」を求めることが悪いことではないとも述べられています。「承認欲」とうまく付き合うことで(「正しい努力をする)ことで、仕事やスポーツなどでの成果を達成することができる源にもなると理解しています。
「承認欲」を求めすぎず、溺れる過ぎず、うまく活用することによって自己成長を続ける源として活用したいと思うようになりました。
- 三つの条件
- 人が「道を成就する」(目的を達成する)うえで、”5つの妨げ”に気をつける
道の者よ、迷いに満ちたおのれの心の状態に気づくがよい。そこには”5つの妨げ”がある。すなわち、①快楽に流される心、②怒り、③やる気の出ない心、④そわそわと落ち着かない心、そして⑤疑い、である。
気づくがよい。このような心の状態では、物事をよく理解することも、正しく考えることもできない。ゆえにくるしみの連鎖は、いつまでも続くであろうと。
- 考える「基準」を持つ
- 本当の人生は、「戻っては、踏み出す」の繰り返し。一日に何度でも、何ヶ月でも、何年でも「正しい心がけに戻る」こと。そこから再び”生きて”みること。そうした心がけが、幸せへと導いてくれる
- 「自身が納得できること」を基準にすれば、外の世界に振り回されることは減っていく
- 「最高の納得」=「苦悩から自由になった心境」のこと
ここも私の中で非常に響いた箇所です。他人と比較することに意味はなく、「自分が納得できること」を基準にすることで、周囲の人がどう見られているかという不安が解消され、さらには今まで肩の上に抱えていた重責のようなものから開放をされたような感覚すら感じています。
自分の人生は「自分が納得できること」を大切に生きるというのは大事ですね。
人の心は、外の現実に支配されない”幸せの聖域”です。
あとは、その心にどんな”思い”を置くかだけ
ここから育てていきましょう。「最高の納得」にたどり着くために。
生きてまいりましょう。
- 心によりどころを持つこと。正しい方向性を見据えること。生きていく上で何よりも大切なのは、こうした”道”ー生き方ーを確立すること
- もし”道”に立つことができたら人生に”迷い”はなくなる
本書を読み終えて
非常に内容が深いと感じた一冊です。読み終えてからしばらくが経ちますが、本書で述べられている内容をなかなかできていないというのが正直なところです。ですが、「最高の納得」を目指し、どのようにすれば「悩み」や「苦しみ」から開放されるのか知っているのといないのとでは大きな違いあると感じています。それに気づけただけでも大きな学びだと思いますし、読んだ甲斐があったと思います。
人間関係に悩みを抱えている、他人からの評価が気になって仕方がない、でもどうしたらよいかわかららない。そういった方は是非一度本書を読んでみてください。何かしらの気づきを間違いなく得られると思います。良い一冊に出会えました。