部下育成と少年野球指導

先日ちょっと良いことがありました。

同じチームの若手社員が部署内の同年代メンバーで行った成果報告会で一番良い評価に輝いたそうです。

もちろん本人の努力によるところが大きいですが、育成という観点でその成果に貢献できたのかなと思っています。

そんな経験から、私は部下育成という面においても、少年野球指導のコーチングスキルは役に立つものであると私は考え始めています。

今日の記事はそんなお話です。

答えは教えず引き出す

私は吉井投手コーチの書籍「最高のコーチは教えない」という本が好きでして、少年野球のコーチング向けに読みましたが、その内容は十分普段の業務においても通用する内容が詰まっています。

そして、その書籍からの学びである、「答えは教えず引き出す」という事を意識して育成にあたっています。

若手、特に入社1〜3年目社員は、わからない事があるとすぐに答えを求めがちですが、可能な限り答えをこちらから伝えずに引き出すように心がけています。

指導行動と育成行動の分類を活かす

その書籍からの学びとしてもう一点、私はスポーツコーチング型PMモデルの考え方も活かすようにしています。

私なりに若手が到達してほしい目指すべき姿があり、その状態に到達するまでに、育成対象の若手社員がどの段階にいるかを考えつつ、指導行動と育成行動の割合を決定するようにしています。

「この子の場合まだ指導行動を多めにした方が良いな」

「この子はしばらく見守る形でも大丈夫だろう。」

というように、その子の立っているステージを意識した指導を行うようにしています。

仕事を楽しむために良い点に目を向ける

当たり前ですが、怒る指導は厳禁です。それは少年野球でも部下育成においても同じだと心得ています。

仕事も切羽詰まると、思うように行動してくれない部下を見て感情的になってしまうような事もあるかもしれません。

ですが、その苛立ちや感情を相手にぶつけても何も得るものありません。むしろマイナスです。

これは恥ずかしながら、私もそういった態度や指導方法を取った事があり、実体験を交えた意見です。

せっかく長い時間をかけて仕事をするのですから、仕事も楽しんでやった方が得です。

何に楽しさを見出すかは人それぞれかとは思いますが、間違いなく言えることは、感情的な状態の中では楽しさが生まれることはないという事です。

そういった意味でも、部下のマイナス面を見るのではなく、良い点や成長した点に焦点を当てる事が大切だと私は考えます。

プレイヤーズファーストは変わらない

野球も仕事も主役は実行していく育成対象者にあると考えています。

あくまで指導する側は、その子の導き手になってあげるだけでよく、部下が主体的に考え行動できるようになるにはどうすれば良いかを考えてあげる事が大事だと思っています。

このような考えを少年野球指導ではプレイヤーズ・ファーストと呼んだりしますが、仕事においてもその姿勢で望む事で、部下の可能性を高める事ができるハズと考えるようになりました。

スポーツとビジネスは違う、と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、私は適用できると信じ、業務においても意識して行動するようにしています。

育成して育成される

私は少年野球指導をするようになってから、子供達から教えられる事が本当に多いと考えています。そして部下や若手育成においても同様の事が言えます。

「このアプローチではうまくいかなかったな」

「このやり方ならあの子に響くかな?」

そういったやり取りを続ける中で、子供達や育成対象者を指導しているようで、実は指導されているんだなと思ったりもしています。

まだまだ指導者としては新米な身ですので、今後も努力を続けていくつもりですが、今回若手の子の頑張った姿を見れた事で、少し私も自身がついたように思えます。

そして、私自身も育成という観点において成功体験を重ねて自己成長を継続していこうと心に決めた出来事でした。