辛さの先の楽しいを目指して

先日の練習時のことです。低学年の練習を教えつつ、遠目から長男が行なっている素振りの練習が目に入ってきました。

しかしそのスイングは遠目から見ていても身体はふらつき、一回一回のスイングがバラバラです。明らかに普段のスイング量が少ないという事に気づきました。


その事が練習終了後にも気になっていたことから、長男としっかりと話しをすることにしました。((長男)とついている箇所は名前を呼んでいます。)

本人がどうしたいか、何を目指したいか

練習後に家族で食事をしつつ、長男に話を切り出します。

「今日遠目で素振りを見ていたけど、正直スイングがバラバラだった。身体もふらふらしていたり、軸もブレているように見えた。今週一週間でどのくらい素振りをしたのか教えて。」

素振りをしていなかった事を怒られるのかと思ったのか、長男は俯き返事をしません。

単刀直入に聞きすぎた節もあるので、切り出し方を変えて話します。


「前にも話したと思うけど、バットを振るという動作は少ない数でも普段から振っていないと、身体がその動きを忘れてしまう。

だから、毎日で無くて良いから、鏡を見ながら正面と横から10回ずつで良いから振ろうって決めたはず。その話は覚えている?」



頷いているので、その話については覚えていたようでした。



「覚えているなら、素振りを続ける必要性はわかっているね。やってないからって怒ろうとしている訳じゃない。何故出来なかったを考えたいだけだから言ってみなさい。」


そう話すと長男は小声で私に伝えます。

「月曜日に20回だけやった。」



「わかった。ここから先の話は(長男)がどうしたいかによるから、考えを教えてほしい。お父さんは野球をやる楽しさにも2つの考え方があると思っている。


1つ目はあまり勝てなくてもみんなでワイワイやって楽しむ。エラーしたって打てなくたって楽しければそれでOK。お父さんとかが遊びで野球をやる時はこんな感じ。

2つ目は辛い時もあるけど練習して、試合に勝っていく中で楽しさを見つけること。いっぱい練習をして今まで出来なかった事ができるようになる中に野球って楽しいって感じられる事があると思っている。


(長男)はどっちの楽しさを目指したい?


この話はどっちも良いところを取るっていうのは難しい。それは勝とうって思うからには、苦しいって思うような練習をしなければならない時が必ずあるから。


だから、(長男)の考えによってこれからの話が変わってくる。なのでちゃんと自分の意見をしっかりと教えてほしい。」



普段から長男はあまり自分の意見を前に出したがりません。なのでこういった話は苦手です。

ですが、これから最高学年になるにあたり練習も大変になってくるため、しっかりと意見を聞きたいと思い問いかけました。


長男が考えている時間少しの沈黙がありましたが、長男が話し出します。



「試合に勝たないと楽しくない。試合に勝ちたい。」



長男はそう答えました。


「わかった。それなら辛いときもあるかもしれないけど、しっかりとやりなさい。その結果が必ず出る時が来るから。

まずは一週間で100回は振ろう。そこから先、もっと素振りをするかは(長男)次第だ。まずは素振りをすることを習慣にしなさい。(長男)が何回素振りしたか数えられるように表を作ってあげるから、そこに振った回数を書いていって。」


長男はこくんと頷き、


「わかった。やってみる。」


とだけ返事をしました。

子供の成長のために何度でもTry & Errorを繰り返す

長男が素振りをやる気になったからわかったと言ったのか、私が強制するようにこの話を切りだしたからわかったと言ったのかは正直な所わかりません。子供のためと思って伝えていることも、子供たち本人にとっては負担に感じている面も少なからずあるでしょう。

ですが、試合に勝つため、より高いレベルでの野球を目指していくためには地道な努力はどうしても必要になります。プレーする本人がやる気になっている時期は問題ありませんが、気分が乗らない、やる気がでないときなど、自分を律して努力しないといけない時は必ずきます。



そういった意味で、今回の件で私が重視しているのは、「野球の技術力を向上させる」という意味合いよりも、

将来の目標に向かって自らの意思で継続的に努力ができるようになってもらいたい」



という意味合いの方が強いです。その努力対象が野球(素振り)になっているという捉え方です。

自主練習をサボった、やらなかった時に罰を与えて強制的に努力させるというのは簡単です。ですが私としてはその方法は取りたくありません。

その理由は、

本人が必要性を理解し努力するようにならないと今後の成長が見込めないからです。


子供たち一人一人個性があり、段階があり、技術レベルも異なりますので、強制的に練習に取り組ませるという方法を取るほうが良いこともあるかとは思います。

ですが、今は長い目で見て、長男自らが誰に言われるまでもなく行動に起こせるような状態にもっていけるようになることを目指したいと思っています。


この取り組みをはじめて一週間。一緒に頑張ろうといった目標を今週はクリアしてくれました。
長男の頑張りを時には励まし、時には促しつつ、傍で見ていこうと思います。

私自身も指導方法についてはTry & Errorです。今のこのやり方が正しいのかもわかりません。
そのため、一定タイミングで効果や結果を見据えつつ、今後の指導の仕方、長男との接し方を見直していく予定です。

おまけ:素振り頑張るシート

長男と約束をしたので、長男が素振りを頑張り、何回振ったかを数えられるように「素振り頑張るシート」を作りました。長男が素振りをするとこの記録表に回数を書いてくれます。

素振りの回数を管理したいという方もいらっしゃるかもしれないと思いましたので、以下からダウンロードできるようにしました。たいしたシートではありませんが、必要な方がいらっしゃればご活用ください。