マーカーコーンで楽しく走ろう(野球編)

少年野球をやっているお子さんにとって、『走る』ことは野球をする上でとても大事です。

『走・攻・守』という言葉にもあるように、野球における三大重要要素の一つにも位置づけられており、走ることなくして野球はできません。

その一方で走る系の練習は地味でつらいという印象が強く、自主練メニューからも外しがちなメニューになっているようにも思います。今回はどうしたら走る練習を楽しめるかを考えます。

楽しみながら走るには

「素振りや壁当てはやっても良いけど走るのはヤダ!」

これは長男の名言です(笑)。私もとても気持ちがわかります。

走る練習は辛いので、一度苦手イメージを持ってしまうとやらなくなってしまいます。私も子供の頃は好きではありませんでしたし、長男も苦手意識を持っています。

何とか長男の苦手意識を無くそうと、どうしたら楽しみながら走る練習ができるのかと考えたのがマーカーコーンを利用した練習です。

走るのがあまり好きでない長男もマーカーコーンを使う練習は楽しそうにやってくれていますので、今回は我が家で行っているマーカーコーンを利用した練習メニューを紹介させて頂きます。

マーカーコーンのメニューは色々ある、かつ自分で作れるますが、今回は野球やっている子供たちに走る系の自主練を促したいという私の意図がありますので、本記事では”野球に関係する”メニューに特化してご紹介していきます。別途、機会があれば違うメニューもご紹介する予定です。

ちなみに我が家で使っているマーカーコーンはAmazonで購入したAoakuaのマーカーコーンになります。どんなメーカーのマーカーコーンでも良いかと思いますが、ベースの代わりにも利用しますので平べったいタイプの形状をおすすめします。

マーカーコーンランメニュー(野球編)

それではここからは具体的なメニューの内容についてご紹介していきます。

サークルラン(ベースランニング)

まずは、野球をやっている子なら誰でもやるであろうベースランニング向けのメニューです。

練習の目的

サークルランの主な練習の目的は以下になります。

  • ベースランニングを意識し、反時計回りにスピードを落とさず走れるようになる
    • 特にベース周りの膨らみを意識する(一部楕円に走る)ことで減速をしないようにする
  • ホームベース付近で疲れてスピードが落ちないようなスタミナをつける

事前準備

練習に向けた事前準備のポイントとして以下の点を意識すると良いと思います。

  • ベースのマーカーコーンの色は同一にする
  • ベースに見立てたマーカーコーンの付近に異なる色のコーンを置く(弧を描いて走れるように目印を設置する)

練習内容

ベースに見立てたマーカーコーンを反時計回りに一周します。非常に単純ですが効果は高いです。

楽しく走るために

ただ走るだけでは面白くないので我が家では以下のような工夫をしています。

  • 成長度がわかるように時間を計測して走る。以下のような計測をすると飽きずに走れます
    • 個人でのタイムアタック(1周何秒で走れるか)
    • プレーヤー全体でのタイムアタック(リレー形式に走り、トータル何秒で走れるか)
  • 年齢差のある兄弟で走るような場合は、鬼ごっこ形式で走るのも有効です
    • 年下の子が走った何秒か後に、年上の子をスタートさせて一周逃げ切れるかを競争する
    • 本来のスタートの一つ先から年下の子を走らせて競争する
  • 一周の距離は気にしすぎない方が良く、その日の目的によって距離感を変えていきましょう
    • その日の練習の目的がスタミナの向上であれば、全力で一周できる距離感にするといった感じにするのが良いです

サークルラン(方向転換)

次にご紹介するのは素早く方向転換するためのトレーニングです。

練習の目的

この練習の目的は以下になります。

  • ボールが来た時に素早く方向転換し対応できるようにする
  • 方向転換時の初速→トップスピードまでの時間を短縮できるようにする

事前準備

非常にシンプルで、少し距離をとった四箇所にマーカーコーンを置くだけです。
サークルラン(ベースランニング)の前に取り入れると準備がスムーズです。

練習内容

まず前向きにダッシュできるコーン位置からスタートし、次のコーンに到着したらサイドステップで3つ目のコーンに向かいます。


3つ目のコーンに到着したら今度は後ろ向きにダッシュをします。完全に真後ろにダッシュするのもアリですが、野球に繋げるという意味合いを持たせるため、我が家では後方のフライキャッチを意識して(少し斜め後ろに身体を向けて)走っています。

その後、4つ目のコーンに到着したらまたサイドステップで1つ目のコーンに戻ります。
 

楽しく走るために

この練習もただ走るだけでは面白くないのでタイムアタックなどをして、子供たちの成長度を測りながら行うのが良いと思います。

捕球姿勢ラン

次にご紹介するのは地味ですが、捕球姿勢を学ぶには良いトレーニングです。

練習の目的

この練習の目的は以下となります。

  • 捕球姿勢のフォーム固め(捕球場所に到着した時にきちんと捕球姿勢を取れるようになる)
  • ダッシュによる初速向上とスタミナアップ

事前準備

一定の距離を保って、マーカーコーンを二列に置いていきます。同じ列には同じ色のマーカーコーンを置くほうがわかりやすいです。

練習内容

スタート位置から反対側のコーンまでダッシュします。マーカーコーンに到着したらその場にボールが来ることを想定して捕球姿勢を取ります。後はその繰り返しです。
 

楽しく走るために

我が家では捕球姿勢到着時には色々な捕球姿勢を取るようにしています。正面キャッチだけではなく、逆シングルで取ったり、ファインプレーのように取ったりと色々織り交ぜ飽きさせないようにしています。

我が家では走る量を増やすためにマーカーコーンまでダッシュしていますが、下半身の筋力向上をしたいのであればマーカーコーンまで一回ずつ捕球姿勢を繰り返すといった練習もあります。

ただし、それなりに辛い+地味であるためしっかりと自主練に取り込めるようになってから行うのが良いでしょう。

捕球姿勢+バックホームラン

次は捕球姿勢ランとの組み合わせです。

練習の目的

この練習の目的は捕球姿勢ランとほぼ同様ですが以下の通りです。

  • 捕球姿勢のフォーム固めですが、外野手のゴロ取りも想定しています
  • ダッシュによる初速向上とスタミナアップ

事前準備

一定の距離を保って、マーカーコーンを二列に置いていく所までは捕球姿勢ランと同じです。最後に外野からのバックホーム練習用のマーカーコーンを設置します。

練習内容

捕球姿勢を行っていく部分は捕球姿勢ランと同じです。最後はバックホームを狙うように外野ゴロの捕球姿勢を取りバックホームの動作で締めくくります。
 

楽しく走るために

より実践をイメージできるようにするには、マーカーコーン地点にボールが来るように転がしてあげて実際のスローイングを行うのもありです。

捕球姿勢+ベースランニング

最後は応用編です。捕球姿勢ランとベースランニングを組み合わせたマーカーコーンランです。私も時々子供達と一緒に走るのですが、これは結構疲れます・・・。

練習の目的

この練習の目的は捕球姿勢ランとベースランニングの合わせ技です。狙いもその合わせたものになります。

  • ダッシュによる初速向上とスタミナアップ(これが一番の目的)
  • 捕球姿勢のフォーム固め
  • ベースランニングのスピード減速抑止

事前準備

一定の距離を保ってマーカーコーンを二列に置いていく所は捕球姿勢ラン同様ですが、繰り返しする数は減らします。

その後はサークルラン時に置いたようにマーカーコーンを設置し、最後にホームベース代わりのコーンを置いて完成です。

練習内容

捕球姿勢ランとベースランニングを同時に行います。

最後の部分はホームへを狙うようにダッシュしてください。芝生などで行えるのであればスライディングするのものありですが、怪我もしやすいので注意が必要です。
 

楽しく走るために

ダッシュする距離が長くなりますので、子供たちの体力を考慮してランの本数は見極めてあげると良いです。我が家では毎回スタート位置が同じだと飽きてしまうので、時折ベースランニングから始められるようなスタート位置(捕球姿勢ランが終わる緑のコーンをスタート位置)にしたりもしています。

メニューは無限大。子供たちと一緒に考えよう

今回は野球に繋がるマーカーコーンランメニューを紹介させていただきました。紹介させていただいたメニューはあくまで一例であって、これらを元にみなさんでメニューを生み出していくきっかけになれば幸いです。

冒頭の話に戻りますが、走る練習を苦手とする子供たちは決して少なくありません。そのため無理やり練習を強制するのではなく、楽しく練習をこなすには子供たちの参加意識も重要です。

マーカーコーンは置き方によって色々メニューを作ることができます。子供たちと一緒にメニューを考えることで子供たちの自発的な意欲を促しつつ練習ができれば、きっと飽きることなく継続して続けていくことができると私は考えます。

私も子供たちと一緒に練習していきます!