努力のセンターオーバー
先日2020年最初の公式戦が行われ、長男は7番センターで先発出場しました。
今回はその時の忘れられないセンターオーバーについてのお話です。
実は長男は、昨シーズンの夏頃からずっと打撃不振に陥っていました。
昨年においては、5月くらいにヒットを打った以降、ほとんどヒットらしいヒットを打つことはありませんでした。
その頃からこの日までずっと、私と長男は打てない原因を考察し、対策に取り組んできました。
どんな対策をして大会に臨んだのかは別の機会としますが、恐らく監督や他コーチ陣も長男から長打はが出ることは期待していなかったかもしれません。
そんな状態で臨んだ2020年の大会初日でした。
果たして打てるのか?
相手チームはここ数年この大会で優勝を続けているチームであり、当番したピッチャーはそのチームの主軸ピッチャーでした。
少し変則的なフォームから繰り出されるストレートは、近隣のチームの中でも速い方に位置するピッチャーだったと感じています。
正直昨年までの長男のバッティングでは、手も足も出ないレベルのピッチャーだと思いました。
実際、第一打席に長男に回ってくるまでの間で、上級生の上位打線もヒットを打つ事はできていません。
「果たしてこのピッチャー相手に打てるのか?」
本当のところ、そんな不安を抱きつつ長男をバッターボックスへ送り出しました。
努力が実る予兆
時は少し遡りまして、この大会の約一週間前の事です。
雨天で練習が中止になりチームでのバッティング練習が行えなくなった事から、長男、次男を引き連れてバッティングセンターへ向かうことにしました。
この時の長男からセンターオーバーの予兆は現れていたように思えます。
この日の長男の打ち返していた打球は、これまでバッティングセンターで打っていた打球と完全に異なる打球でした。
今までのバッティングセンターでは、投げられた球を打ち返すのがやっとな感じの打球ばかりでボテゴロやフワフワ上がるフライが大半でした。
ですがこの日は当てる打球一つ一つが強い打球を打ち返し、中には完全に長打となりそうな打球もいくつかあったことを記憶しています。
これ以外にも、試合前日のロングTでも良い打球を打ち返せていたので、帰宅後に一緒に入ったお風呂の中で、私から長男にこう話していました。
「今の長男のスイングはかなり力強くなっているし、打球も悪くない。明日はきっと打てると思うよ。」
漠然とした感覚論での会話でしたが、私も不思議な自信があって発した言葉だったのは記憶しています。
そしていよいよその時がきます。
カウント3-2からの6球目
ここ最近の長男は一本足打法に近いくらいに足を上げてスイングします。
これまではタイミングが合わないと足を上げるのをやめてしまったり、中途半端に足を上げてスイングしたりと練習と本番で完全に異なるスイングをしてしまっていました。
ですがこの日は違いました。
バッターボックスに立ち、ピッチャーが足を上げると共に自分も足を上げタイミングをとります。ボールの軌道もしっかり見えてるようで、変なボールに手を出す感じもありません。
ボール球はしっかり見送り、打てそうな球は積極的に降っていく。
この日の長男の第一打席はしっかりとそれができていました。
そして3-2のフルカウントからの一球。
カキーーーン!!
相手ピッチャーの投げた、真ん中低めの球を捉えた打球はセンターの頭を越えていきました。
この日の球場はホームランラインをゴロで超えたらツーベースとなる球場で、結果はエンタイトルツーベースでしたが、通常のグランドであればスリーベースになる快心の一打でした。
チームからの称賛と長男の笑顔
これまでの実績と上位打線が手も出せていなかった状況を思うと、この長男の当たりを監督・コーチ、チームメイトも予想していなかったと思います。
本来信じてあげるべき私も、レフト前やセンター前くらいはあるかと思いましたが、センターオーバーは嬉しい誤算でした。
その分チームメイトからの歓声は凄く、みんなが立ち上がり長男に向けて称賛の声をあげてくれました。
セカンドベースへ滑り込んだ後、チームのみんなに向けて、恥ずかしそうにはにかんだ長男の笑顔は、私も一生忘れることが無いとでしょう。
本当に印象に残る一打でした。
長男へ。
ナイスバッティングだったよ!
実りの春を目指して
いよいよ二人三脚で歩んできた努力が実り出す時期がきたように思います。
打ちたくても打てない苦難の時期を乗り越えて、ようやくここまで来ました。
今はコロナウイルスの影響で練習や試合が存分にできない状況ではありますが、春に向け着実に成長しています。
これからの長男の活躍を期待しつつ、筆を綴じたいと思います。
今度の記事では、昨年までの長男とどこが違うのか、そして、どんな練習が身を結んだのかを考察してみる予定です。ご興味があれば次回もお読み頂けると幸いです。