教えすぎない教え
おはようございます。今日で2月になりました。
今年は比較的暖冬で、野球を行う上でも例年よりは行いやすい日々が続いているかと思います。
今回は、「教えすぎない教え」という本を御紹介します。
甲子園の常連である、履正社高校の監督さんが執筆された書籍です。
少年野球を指導する立場のわたしにとっても学ぶべきものが多々詰まった良書でした。
きっかけは単純で、Kindle Unlimitedで野球関係の本を探していた時にたまたま巡り合った本でした。
私の少年野球における指導においても「教えすぎないということが大事である」考えていた事から、
「この方はどういった考えから、「教えすぎない教え」にたどり着いたんだろう」
ということを学びたく、本書を読み始めました。
著者について
著者:岡田 龍生さん
- 1987年から履正社高校の監督に就任され、履正社高校を11度甲子園に導いた方です。教え子にはT-岡田選手、山田鉄都哲人選手などがいます。ご本人も高校生時代には野球をやっており、主将として甲子園に出場されています。
読書からの学びや気づき
それではここからは読書からの学びや気づきをまとめたいと思います。
私が学んだこと・気づいたことベースでまとめますので、必ずしも書籍のコンテンツ順になっていないことをご了承ください。
選手達の自発性について
- 選手たちの成長を促進するためには、何よりも選手自身が自発的に取り組んでいくことが求められる
- 選手たちが自ら考えて動けるようになるために、まず選手たちと積極的にコミュニケーションを取る必要がある
- 選手と質と密に触れ合い、監督の考えを理解してもらうことが先決
- 選手たちと対話を続けることで、監督の選手への理解が深まっていくと、選手たちも監督の意図するところを感じてくれるようになっていった
- 自分の意見を述べるということは、そこにその発言に対する責任感も生まれる
- 「自分で考えて、行動する」この一歩が踏み出せないのは、その選手が失敗を恐れているから
- 「失敗してもいい。失敗するからこそ、”だったら次はこっちに踏み出そう”と新たな一歩が踏み出せるんだ。それが”自分で考えて”、行動する”ということなんだ」
- 非常に良い言葉ですね。“失敗を恐れず行動できる勇気を選手たちに与えてあげる”ことを指導者として伝えていきたいと再確認しました。所属チームの子供達にも伝えてあげたい言葉です。
指導者として、いつでも失敗しても良いという空気感をチーム内に醸成することで、選手の自主性が生まれやすくなるということも学びました。
- 非常に良い言葉ですね。“失敗を恐れず行動できる勇気を選手たちに与えてあげる”ことを指導者として伝えていきたいと再確認しました。所属チームの子供達にも伝えてあげたい言葉です。
- 1から10まで全てを説明するのではなく、5くらいに留めておき、あとは選手たちに考えさせることで、選手同士で意見を出し合うようになっていく
- 指導者に言われるがまま選手が動く一方通行のやり方は、選手たちから思考力を奪う
- これからの時代は「選手が考え、動く」という選手の自主性・自発性を促す指導をしていかなと、勝ち上がっていけない
- 自主性や自発性を養うことができず育ってしまった背景には、少年野球、もしくは中学野球時代において、指導者の強制力の下での指導が一因だと考えています。
小学生の段階から、失敗を前提に自分で考え行動してもらう事が大事だと再認識した次第です。
- 自主性や自発性を養うことができず育ってしまった背景には、少年野球、もしくは中学野球時代において、指導者の強制力の下での指導が一因だと考えています。
- 自分でいろんな課題を持って取り組むことが重要で、「やらされている練習」では何も身につかない
- 「自分がやらなければ落ちていくだけ」という環境が選手の自主性を育み、「考える野球」をチームに浸透させてくれる
限られた時間でいかに選手の実力を伸ばせるか
- 履正社の練習は17時~20時までの約3時間
- 全ての練習をできる限り実践的にし、「気の抜けない緊迫感」を生み出す
- 「選手にとって何が一番効率的か」を考え、練習メニューを考える
- ここが指導者の見せ場ですね。
「選手たちを、最短の時間で最良の成長を得るためにどんな指導方法が有効なのか。」
この問いを考え続けることが、指導者にとって必要なだと考えています。
- ここが指導者の見せ場ですね。
どんなプレーも、そこには根拠がなければならない
- 確たる考えのもとで失敗したのであれば、たとえそれが間違っていたとしても構わない。考えて野球をするそのプロセスが大切
- · 指導者に必要なのは「選手が気づくまでじっと待つ」という姿勢。時間はかかるが、この忍耐力がチームを強くする
- 指導者がその場その場で答えを教えてしまうことは簡単かもしれません。ですが、本人が今の状態では良くないことに気が付かない限り、これからの大きな成長は見込めません。だからこそ、選手本人が気づくまで忍耐強く待つことが必要なんだと理解しました。
「好きこそものの上手なれ」
- 「好きこそものの上手なれ」の意味する所が、すべての物事を上達させるのに欠かせない要素
- 面白いから上達し、上達するからさらにおもしろくなる。そういった好循環を生み出すのが自分を向上させる秘訣
- 指導者はそういった好循環の中に選手たちがいられるような環境づくり・雰囲気づくりをする
本書を読み終えて
監督ご自身の経験を踏まえてかかれたこの一冊は、高校野球だけでなく少年野球~社会人に至るまで、全ての方々に通じることのできる学びがたくさん散りばめられているように思えます。
一部、技術的な面も書かれていますが、根底にあるメッセージはタイトルの通り、
「教えすぎない教え」、自主性を重んじる教えが何故必要であるかという考え方や、それを浸透させるために行ってきた工夫を、監督御自身の経験を踏まえ読者に伝えてくださっています。
私は少年野球のコーチをやらせていただいていますが、少年野球の中でも取り入れることのできる内容も多く、参考にさせて頂く箇所が多々ありました。本書を手にとって本当に良かったです。
最後に、実は書店で本書を見つけた記憶があまりなく、Kindle Unlimitedを始めなければ出会うことが無かったかもしれません。
ですが、今まで本書に出会わなかったことが悔やまれるくらい良い内容で、本当に読書は一期一会だなぁと思いました。それぐらい野球関係者にとって良いと感じた本です。