メモの魔力

本屋に向かい売れているビジネス書棚を覗くと大抵置いてある本書。

私も興味がありまして拝読させていただきました。
今回は本書を読んだ私なりの学びや気付きを書かせていただきます。

本書を読もうとしたきっかけ

きっかけは2点あります。

一点目は「メモ嫌いを克服するきっかけにしたいから」ということ、二点目は若干ミーハー感がありますが、「書店でおすすめ書籍棚にいつもあって気になっていたから」です。

二点目は買う側からしたら大した理由ではありませんが、売る側からしたら大事な点なのかもしれません。


本書を読む前の私は基本的に何かのメモをとるということが嫌いでした。

中でも議事録を取るというよう仕事は特に好きではなく、ほとんど読まれないもののために、なぜ、時間を割いてまでやらなければならないんだという思っているレベルで好きではありません。

その一方で上司や先輩からはメモを取りなさいということを指導されます。皆さんも経験があるかもしれません。

 

そんな中で本書が売れていることを知り、本書を読んで少しでもメモを取ることを好きになれればと思い手に取りました。

ちなみにその好きではない原因は、メモを取る目的の違いからくるものだったんだと読んだ後に気がいたのですが、それは後ほど綴らせていただきます。

読書からの学びや気づき

ここからはメモの魔力を読んで私が得た読書からの学びや気づきを書かせていただきます。

  • 「ファクト」から一歩踏み込んで考える
    • ただメモを取るということは記録をしているだけ。そこから一歩踏み込んで知的生産のためにメモを取ることが重要。そこからクリエイティビティが生まれる。
      • いきなり私のメモを取ることが好きではない理由がでてきていますが、これまで私が行ってきたメモはただの記録をしているだけ(「Record」をしているだけ)だったから好きではないことに気づきました。

        ただ記録を残しただけでは、労を費やした分の価値を生み出さない、。メモを記録のために取るのでなく、知的生産のために取るんだという意識を持つだけでも、以前のメモ嫌いから一歩抜け出せたと考えています。

  • メモをとることで鍛えられる5つのスキル
    1. アイディアを生み出せるようになる
    2. 情報を素通りしない
      • 人は思った以上に情報をキャッチしていない。「情報という宝」を逃さないようにする必要がある。
    3. 相手の「より深い話」を聞き出せる
      • メモを取ることで傾聴の熱意を相手に伝えることができる
    4. 話の骨組みがわかるようになる
      • 上手くメモを取るには聞いた話を構造化して書かなければならない。メモを繰り返し取ることでうまく構造化できるようになってくる
    5. 曖昧な感覚や概念を言葉にできるようになる
      • メモを取ることで「言葉にする」ことから逃げなくなる

         

        • メモを取るというメリットを理解しておくというのも、メモを好きになる対策の一つだと考えます。私の中では(4)や(5)を意識し、このメモは「うまく内容を構造化するための訓練であり、自分が使える言葉を増すために役に立つ。」と考え直したこともメモ嫌い脱出の要素の一つだと考えます。
  • 知的生産のためのノートの使い方
    1. ノートは見開きで使う
    2. 左にファクト、右に抽象化と転用を書く
      • インプットした「ファクト」から、気づきを「抽象化」し、アクションや応用できるなにかに「転用」する流れをノートの中に表せるようにしておく。
    3. 日付・サマリ・標語を書く
      • このメモをいつとったのか、このメモは何のメモなのかを残す。
        • このノートの使い方は、メモの魔力を読んで以降ずっと活用しています。

          知的生産のためのスペース(右側)をノートに残しておくことで、「何故この話になったのか」、「どうしたらもっと改善できるのか」、「こういったことに使えるのではないか」といった振り返るを行う時間が増えました。

          今はまだ導入初期で本書が言っているような「抽象化」、「転用」というレベルでの考察はできていません。

          そのため、始めの一歩として、右側のページの「抽象化」エリアに「このメモを取った中で得た学び・気づき」を書くようにし、「学びや気付きがこんなことに活かせるのでは?」と思ったら「転用」エリアに書くようにしています。


          もう一点、このノートの使い方にして役に立っているのが(3)です。そもそもがノートを取ることが下手で、日付や書いているメモのサマリやタイトルを残したことがなかったのですが、いざ書いてみると振り返りにとても役に立っています。

  • メモで思考を深めるために
    • 「世の中でうまくいっているもの」や「自分が良いと感じるもの」に素通りせずにキャッチして抽象化してみる
    • 抽象的なキーワードで伝えるようになる(具体的な言葉のまとまりを、「これはズバリ○○だ」と言えるようにする)
    • 「我見(自分が周りを見つめる目)」と「離見(自分を客観視する目)」を持つ
    • 新しい言葉の掛け合わせを考えてみる
      • 一見無関係のものを結びつけてみると新しい何かがうまれるかもしれない



本書を読み終えて

本書を読み終えて感じたのは、本書はメモを上手く取るためのHow to本ではないということです。

メモを上手く活用して、自分の頭の中の考えや論理を整理し言葉に変換するにはどうしたら良いか、ひいては、より深く考えることで自分が幸せに生きていくためにはどうすべきかを考えさせてくれる本だったと感じています。

 

私はまだしっかりと自分の中の思考を深めることのできるレベルでのメモが取りきれていませんが、本書を読むことで、その第一歩は踏み出せたと感じています。

私は今30代ですが、本書は仕事を始めた20代のうちに読んでおきたかった一冊でした。