スピーチや会話の「えーっと」がなくなる本
読了してから少し時間が経ってはいますが、振り返りも含め読み返しを行い、この本から得た学びや感想などを書かせて頂こうと思います。
私は面接や緊張感のある場面などにおいて、「んーっと」、「あのー」という言葉を言ってしまう癖が多く物事をうまく伝えられていませんでした。
または伝えたい論理が正しくてもそれを言葉として発せられないという課題を感じていたことから、本書を手に取ることで何らかの改善効果を期待したかったためになります。
読書からの気づき
- フィラーとは?
- <えー>、<あー>とは「フィラー」のことで、単語や文節、文章の「合間に挟み込む言葉」を幅広く指す
フィラーのメカニズムとは?
- フィラーのメカニズムは「心(感情・性格)」「思考」「声」を動力源としたメカニズム
- この3つが同期し、安定して働いていればフィラーはでない。逆に一つでも不具合が発生すればフィラーを発生させてしまう
- フィラーはどれか一つが不安定でも、残りの2つがそれを十分に補うことができればフィラーを防ぐことができる
フィラーを不快に感じる理由
- 話が長くなり、文意が複雑化する
- 長文はわかりづらく、短文はわかりやすい
- 通常フィラーが出る時に<、>で言葉が途切れる
- 心が定まっていない
- 自分の中で次に何を語るべきかを探している状態の時に出る
- 自身がない
- 自分の意に反する、内面と真逆なことを言うときにフィラーが出やすい
フィラーの有効活用と重要性
- 冒頭から<えー>と入れられると、聞き手の心も緩む
- ひたむきに対応している最中に出るフィラーはむしろ好感を与える
- 気持ちに訴えかける話し方ができていれば、フィラーも心地よい小休止であったり、考える時間の共有という一体感を生み出す
フィラーと性格
- 自己を過小評価する人はフィラーが出やすい
- 「自己過小評価」姿勢が、自己認識、日常の行動体系の根っこにあると、こころに躊躇が生じやすくなる
- 「間違っていたらごめんなさい」という気持ちが満ち満ちていると、物事をはっきり言わない方向に言動が進みフィラーが入り込む
- 「心(感情・性格)」を他の要素によって補ったり、変えたりすることができる
「思考」とフィラー
- <、>が入るところで、次に続かないと<えー>と言ってしまう
- <、>を使わないようにするために<。>を使って<間>を作れば良い
- 一文一文を短くして、言い切って終えることを心がける
「声」とフィラー
- 声と自信は切っても切り離せない
- 自分の中に自身が育っていくのを待つよりも、まずは声を出すことを優先すべき
話す内容が決まっているときほど注意したいこと
- 丸暗記は事前準備としては一番してはいけないこと
- 内容を忘れたりハプニングが起こって気が動転したりすると、丸暗記だと軌道修正ができなくなってしまう
- 記憶が飛んでしまった時には、落ち着きはらい、悠然と原稿を取り出す
- 原稿を取り出すことは減点だが、さらなる減点をなくすことができる
- 原稿を読む場合は、これから読むぞということを宣言してから読む
- メモかバインダーを用意しておく
- 原稿の構成、つまりは目次、地図で言えばランドマークを記しておく
- 内容が盛りだくさんの場合は、A4一枚をバインダーに挟んでおくと良い
- 高級で見てくれの良いバインダーにしておけば、取り出すのが当然と思わせるような雰囲気を醸し出せる
本書を読み終えて
面接やプレッシャーのかかる重要な説明を行うような場面においてフィラーが出てしまうことは、私の積年の悩みでした。この本はその悩みに対し、「何故起きるのか」、「どうすればなくせるのか」を教えてくれた一冊でした。
文章量は決して多くなく、かつ文章表現もやさしいので、ある程度読書をしていることならスラスラと読めると思います。もしあなたがピンポイントでフィラーに関する悩みを持たれているのであれば、読めばプラスに機能してくれると思います。
実際、私もこの本を読んだ後の面接は、これまでよりも結果の良いものになりました(自己評価ではありますが)。