ポジションテストのススメ
みなさんは友遊ボールという競技をご存知でしょうか。
機会があればどういった競技か紹介する記事を書かせて頂こうと思いますが、簡単に説明すると、
- 柔らかいゴムボールで行う、小学校三年生以下の簡易野球
という感じです。
ちなみにではありますが、友遊ボールは私の住む近隣の市が発祥で、千葉県においては結構メジャーになりつつある競技です。
私が所属しているチームの友遊ボールを指導をさせて頂いている中で、有効に機能した営みを今回は紹介させて頂きたいと思います。
以前、私が初めて指導を受け持つようになった際は、子供達にとって厳しめの感じで、何もかも私が決めるような指導をし采配を振るっていました。
ですが、そういった指導感で子供と向き合っていて思ったことは、
子供達自身で考え行動することができなくなってしまう
という事でした。
いつかは監督の采配の下、野球をプレーする事がきたとしても、少なくともこの三年生以下で行う友遊ボールのタイミングでは必要ないなと考え直しました。
その日から私は練習スタイルをガラッと変更しました。
特に顕著に異なるところは以下のようなところです。
- 打順は決めず、子供達で打ちたい打順を話し合う
- ポジションも子供達がやりたいところをやる
- 守備機会における、アウトの取り方の判断も子供達に決めてもらう行う
ありがたいことに、練習スタイルをガラッと変えた甲斐もあり、子供達が積極的に自分が挑戦したいポジションにチャレンジしてくれるようになりました。
それについてはとても良かったのですが、サード、ショート、レフトあたりは人気で、練習試合の時にはどうしても複数人が立候補するような状況になります。
ですが、私自身が決めることは極力したくありません。
そんな状況を踏まえ考えたのが、オーディション形式でポジションを決定するということでした。
ここでは、ポジションテストという名前で以降呼ばせて頂きます。
子供達が納得する方法でポジションを決めよう!
今回私が目指したのは、
「全て子供達で決め、納得した形でポジションを決める」
たいということでした。
そのため、志望したポジションにライバルがいた場合には、素直にそのライバル同士で競ってもらうことにしました。
イメージを持って頂くために、実際私が行ったケースにおけるショートの例をご紹介します。
10球勝負で誰が一番うまくプレーできるか
ショートのポジションを決める際、3名の立候補者が出てきてくれました。
その三名、友遊ボールにおけるショートとして誰がうまく一番プレーできるかを10球ノックで決めました。
10球ノックの内訳は以下の通りです。アウトに出来れば1ポイントです。
- 5球: ショートゴロで一塁送球
- 3球: ランナー一塁二遊間のゴロ(どちらに打つかはわからない)
- 2球:ランナー一、二塁で三遊間のゴロ(どちらに打つかはわからない)
はじめの5球は純粋にきちんとショートゴロをアウトにできるかを確認しています。
残りの5球はショートとしてできて欲しい重要なベースカバーが出来るかを確認しています。
例えば、ランナー一塁で、セカンドゴロが打たれた場合についてはセカンドベースに入れるかを確認するといった感じです。
このような感じで、10球ノックで一番多くポイントを取った子がそのポジションを守る事が出来るようにしました。
ここで重要な点が一つあります。それは、
大人からみて、明らかな技量の差があるとわかっていても、全員平等にテストする
ということです。
これは勇気を持って挑戦してくれた子供達へ敬意を払う意味合いと、平等な条件で競って正々堂々勝ち負けを決め、納得した上でポジションを決めるのに重要となります。
実際、私が行ったポジションテストのにおいて、負けた子は確かにポジションを勝ち取ることはできませんが、清々しい気持ちで勝った子を認めてくれました。
さらにはテストによって、何がまだうまく出来ていないのかを理解してくれるので、むしろ負けた子の方が得るものが大きいくらいに思えます。
このような形でポジションを決めることで、少なからず子供達に公平にポジションを決めることが出来たと思います。
ポジションテストのメリットとデメリット(懸念点)
今回、始めての試みでこのポジションテストを実践しましたが、その中で私が感じているメリットやデメリットを最後に述べさせていただきます。
ポジションテストのメリット
ポジションテストのメリットは、考えるに以下のようなものが考えられます。
- 子供達に平等にポジションを獲得できるチャンスが与えられる
- 選ばれなかった子は、何が足りていないのかを学ぶことができる
- 子供達が納得感を持ったオーダーを組むことができる
私は、上記のような良さがあると考えていますが、より適切に試合に出る子を選ぶのであればバッティングの観点でも評価してあげると良いと思います。
ポジションテストのデメリット(懸念点)
今回私が行った中でポジションテストを行うデメリット・懸念点に、以下のような点を感じています。
- テストの時間がかかるため、テストを待つ子供達の考慮が必要になる
- 試合予定日から離れた日時でテストを行ってしまうと自分のポジションを忘れてしまうことがある(低学年の場合)
- 一度ポジションを確保できなかった子が、いくつも他のポジションを挑戦することの是非を考える必要がある
実は上記の二番目は実経験から来ているもので、試合直前に
「あれ、オレ、どこだっけー??」
という子が現れ、一時みんながあたふたするという事象が発生しました(笑)。
低学年特有かもしれませんが、ポジションテストを行うタイミングも考慮することがあるという学んだ一件でした。
とりあえず試してみて、みなさんのチームに合う決め方を
各チームの方針や考え方があるかと思いますので強制をすることはありませんが、私個人としてはこの決め方はけっこう良かったなと感じております。
正直に申し上げると、テストの内容は色々なテスト内容があって良いと考えています。
重要な点は、
テストを行う機会と場を与え、子供達にわかる形で公平に決める
ということが大事な点になります。
上記をお読み頂きオーダー決めの一案として、ポジションテストの考え方は有りかもと思われる方がいらっしゃいましたら、とりあえず試してみて頂ければ幸いです。