台風15号 停電被災を経験して
私は千葉県に在住しているのですが、9月8日に台風15号に被災し数日間の完全停電を経験しました。
幸い私の住んでいる地区は約4日間で復旧し、電気のある生活に戻ることができましたが、本日の記事執筆時点でも未だに被害に苦しまれている方の苦しみを思うと本当に心が痛みます。
そして、本日また、台風19号が上陸しつつある中で、私の経験が多少なりとも役になればと思い記事にすることを決意いたしました。
経験談による内容となりますが、ご興味あれば以下以降お読み下さい。
まず、停電被災を経験したことに関し書かせていただきたいと思ったのは、少年野球を通じて築いた絆が支えてくれた四日間だったということです。
私の自宅周辺にお住まいの方が停電となり、電気のない生活を強いられていましたが、幸い停電の被害自体を免れることができた方も少年野球関係者の中にいらっしゃいました。
私はその方々の御厚意に預かり、一時的にお風呂をお借りしたり、冷房の効いた部屋で休憩させて頂くといった御支援を承りました。
「遠慮なく、ゆっくりしていっていいからね。」
という言葉にとても助けられた記憶があります。
他にも、少年野球のお母さん方の連絡網となっているLINEグループにおいては、近隣のコンビニやスーパーの販売事情やガソリンの混み具合など、被災を乗り越えるにあたって重要な情報を即座に共有して頂いていました。
これらの情報が非常に支えになったことを記憶しています。
さらには復旧後において、被災なされたご家族の苦労を考慮頂き、被災を免れたお母さん方の手で練習再開日の昼食としておにぎり約300個を用意頂きました。
このようなの少年野球チームの皆さんからの優しさに触れることが、本当に私達家族の助けとなりました。
このような御支援には感謝の言葉しかありません、本当にありがとうございました。
正直な話、少年野球チームに入部していなければこのような関係を築くことが出来なかったと考えると、本当に野球をやっていて良かったと思った一週間でした。
家族のそばにいるということ
被災をして、まず最初に考えたことの一つとして、仕事を取るか家族といるかという選択肢でした。
今回の停電の被害が千葉県を中心としたもので、私の職場のある東京ではほぼ無害という状況でした。言い換えれば、東京にさえ行きさえすれば通常通り業務が行えた状況にありました。
ですが、家族・親戚が被害を受けている状態で業務に戻るという選択肢を私には取ることが出来ず、停電時の生活が安定するまでの数日間は休暇を頂くことを選びました。
幸い会社からも休暇に対し好意的に捉えて頂き、家庭第一の判断を快諾いただいたことから、被災した数日間の間は家族と共に過ごすこととなりました。
少し表現が難しいのですが、被災をし、家族も周囲も普段の落ち着いた雰囲気ではない状態であると、その状況下にいるだけでも精神的に落ち着かない、情緒が不安定な状態になっていたように思えます。
特に感受性の強い時期である、小学校高学年くらいの子供達は顕著に現れていたような感覚があり、実際、私の親戚の子も、何もしていない瞬間にふと涙を流すというようなこともありました。
そういった状況にあることから、家族が全員近くにいるというだけでも子供達の支えになると思いますし、こういう苦しい時こそ家族は近くにいたほうが良いと感じました。
何をする訳でもなくても、妻の愚痴を聞く、子供達の不安を忘れさせるように一緒に遊ぶ、といった些細なことでもよいと思います。
家族のそばにいることで与える安心感が、家族の不安を解消する手立ての一つになると思います。
特に被災の期間、つらい状況下においても妻は本当に良く私達を支えてくれました。
お恥ずかしながら、私は家事が下手で普段からあまり行わないことから、こういった非常事態にも家事をやり続けてもらう事を強いることになってしまっていました。
その中においても、学校関係者や少年野球チームのご父兄の方とも連絡を取り合い、近隣の方と連絡を取り続け家族を支えてくれていたことには素直に感謝したいです。
停電を乗り越えるのに役に立ったもの
被災の大きさや状況により、様々ケースが考えられるかと思いますが、今回私が経験したケースでは以下のような状況でした。
- 電気とインターネットは利用することができなかった
(ただし、被災していない場所まで移動すれば利用できていた) - 食料・水等の生活必需品は手に入った
- 被害が生じていないご家庭が近くにいらっしゃった
- 日中から夜にかけてはまだまだ暑い気候下にあった
- 住居自体に損傷はなかった。(継続的に家の中で過ごすできた)
電気は使えなかったものの、食料や水といった、手に入らないと生命を脅かすような物資は用意することができたことから、どちらかというと以下のような事項に対して苦労していたように思えます。
- 暑さ対策(エアコンや扇風機が使えないため)
- 他の家族との連絡手段
- 避暑対策や物資購入のための移動
(周辺はほぼ渋滞で近隣を移動するだけでも通常の2、3倍の時間を要した。) - 停電回復情報の収集
その苦労していたものそれぞれに対して、私達家族が対策していた内容を以下に共有させていただきます。
氷とテントで暑さ対策
暑さ対策で手に入れることが難しかったのが「氷」でした。
近くのコンビニやスーパーマーケットにおいても、ほぼ手に入れることができなかったことから入手には苦慮しました。
近隣の店舗では手に入れることができなかったことから、東京近郊まで移動したタイミングで大量に氷を買って帰ったことを記憶しています。
もし停電が予想されるような状況においては、いつもより氷を作っておくことをオススメします。
冷蔵庫の電気が切れてしまっても、クーラボックスに氷を入れておけばそれなりの保冷になりますし、溶ければ水として飲むこともできますので有用です。
別の観点において、暑さ対策で有用だったのがテントでした。
正直、部屋の中は非常の暑くて寝苦しかったことから、思い切って庭にテントを立てて一夜を過ごしたりもしました。
こういう状況においてはキャンプ経験は非常に役に立ちます。
子供達はなかなかテントで寝るということがなかったので、良い気分転換にもなったように思えます。
Free Wifiが利用場所を覚えておく
私の家の付近は軒並み停電しており、かつ携帯電話も繋がらなかったことから、携帯での連絡手段が途絶えてしまっていました。
そのため、そこで役に立ったのがWifiスポットです。私は何か連絡を取らなければならない時には近くのコンビニまで趣きWifiを拝借していました。
時にはスターバックスへ向かい、家族への連絡や情報収集をすることもしていました。
携帯の4G電波でうまく携帯電話が利用できない時のために、Wifiスポットがどこにあるか頭に入れておくと良いと思います。
ガソリンスタンドがある経路を避けて移動する
停電状態になると暑さ対策に車で睡眠を取る人や、遠くまで移動して物資を確保したりということが必要になることから、車の存在がとても大きくなってきます。
そのため、みなさんガソリンが必要になることから、付近のガソリンスタンドは常に渋滞となる状態でした。
聞いた話では、9時に開店するのに合わせ6時頃から並んで待っていたり、ガソリンを入れるのに2時間待ったけど店舗のガソリンが無くなり入れられなかったということも耳にしています。
つまりは、そういう状況になるほどガソリンスタンド付近の道は混み合う事になります。
特に二車線(片側一車線)の道においてはガソリンスタンド待ちの車と、そのまま通過したい車とが混在することから通過するのに時間がかかります。
そのため、ガソリンスタンドに用がないような場合においては、多少遠回りしてもガソリンスタンドが無い道を通ることをオススメいたします。
Twitterの重要性。何よりもTwitterが早い!
被災した状況においては、最新情報の取得が非常に重要になってきます。その中で何より役に立ってくれたのがTwitterでした。
停電している状況下においてテレビは使えないことから、私は情報を収集する時においては、インターネットか携帯ラジオで情報を取得していました。
ですが、ラジオや通常のインターネットニュースでは、どうしても近隣の状況に関する情報がタイムリーに入ってきません。
そこで大活躍してくれたのがTwitterでした。
付近に住むTwitterを利用している人や、市区町村が発信している情報がリアルタイムに入ってくるため、Twitterの情報は常にチェックしていました。
そのため、Twitterの情報はどうにかして情報取得できるような状態にしておくことをオススメ致します。
正直、市役所や公民館等の公共施設の電光掲示板等にTwitterの情報を表示するだけでもかなり近隣の方には支援になるのではないかと思うほどです。
周囲の方を頼るという勇気
以上で、台風に被災経験に関する記事を終えようかと思いますが、最後に私が伝えたいことは、
「本当に困った時には、”勇気を持って”周囲の方に頼る。」
という事です。
周囲の方を頼るということをためらわないで頂きたいということです。
一人や家族だけで苦しんでいても解決できないような時には、
近隣の方に助けを求めるという選択肢があるということを忘れないください。
周りの方を頼るにもどうしても勇気がいるかと思います。
ですが、少しの勇気を振り絞れば、好意を持ってあなたを支えてくれる人は必ずいます。
実際、私も少年野球チームの皆様にたくさんの御支援を承りました。
被災をした状況においてはどんなことが起こるかわかりませんし、普及の見通しが立つまで本当に長く感じます。
そういう時こそ、復旧に向けお互いで助けあれば乗り越える力も湧いてきます。
今、この記事を書いている際にも、目の前の空では台風19号が猛威を奮っています。
つらい状況の時こそ助け合い、みんなで前へ進むことができればと思います。
これ以上台風の被害が生じないよう、切に祈りつつ、筆を終えようと思います。
ここまでお読み頂きありがとうございました。