素振りと羽根打ちの目的の違い
少年野球をやっている子供達が、グランドに行かずに庭等で練習が出来る代表的な練習方法として、素振りと羽根打ち(もしくはティーバッティング)があります。
今回は、少年野球を始めた子供たちに向けて、私が考える素振りと羽打ちの目的の違いをお話させて頂きます。
素振りで打撃の型(フォーム)を作ろう
少年野球、特に初めて一年以内の子供達にとって、素振りする目的は、自分の打撃の型を作る(フォームを定める)ためとして練習することを推奨しています。
野球を始めたばかりの子供達にとって、正しいフォームでスイングをするというのは非常に難しいことです。
例えば、
- バットはどう握るのか
- バットの位置はどこに構えるのか
- 足はどう踏み出すのか
などなど、覚えていくことがいっぱいです。
その一方で、バッティングフォームというものは、野球経験のある子供と、無い子供では一目見てわかるくらいに顕著に差が出てしまう事から、少年野球チームの監督やコーチからも、「まずは素振りをしなさい。」言われるかもしれません。
一昔前には、
「一日100回の素振りを毎日すれば、フォームは勝手に良くなるんだ!」
という精神論の指導もありましたが、私の考えは逆です。
回数は少なくて良いので、一回一回を大事に降る
ということを子供たちに伝えています。
理由としていくつかあるのですが、
- 子供(特に低学年)にとって100回の素振りは集中力が持たない
- 直すべき箇所がどこかを忘れ、100回振るということに主眼がいってしまう
- 素振りは大変で面倒くさいという印象になり、継続する気持ちが削がれてしまう
という事が挙げられます。
そのため、素振りをする時には30回程度を目安として、
- 一回一回を大事に振る
- 監督・コーチから指導を受けたポイントを意識して振る
- 一日の素振りの練習でチェックするポイントを多くしない
といった事を意識して素振りをすると良いかと思います。
そして、慣れてきたら数を増やしていってください。
また、もう一つおすすめしたいのが、
自分の姿が見える場所で行う
ということです。
自分の修正したい点が直っているかを確認したり、スイングの軌道が、自分の求めたい軌道ででているかを確認しながら素振りをすることは非常に有効ですので、強くおすすめしたいです。
加えて、1ヶ月程度ごとでムービーを撮ったりすると、お子さんの成長がわかることからできるようであれば、定期的な撮影をすると尚良いです。
実際に私も息子達に対して時折ビデオを撮影してフォームチェックをしています。
子供の成長は非常に早く三ヶ月で別人のように変わりますので、昔を振り返るとすごくビックリすると思いますよ!
羽根打ちはミートすることに注力する
次に羽根打ち(もしくはティーバッティング)ですが、羽根打ちを行う目的としてまず最初にあげられるのは、
ボールに対して適切にミートする力を向上させる
ことを目的とすると良いです。
少年野球、特に野球を始めて間もない子にとっては、まずボールを当てること自体が難しいという子もいます。
そのため、羽根打ちではボール(羽根)にしっかり当てて、ライナー性の強い打球を打ち返せるようになることを主眼において練習をしてみて下さい。
この時、投げる側の大人にとって気をつけたいことを以下に記載します。
- 良い打球が飛んだらとにかく褒める!
- 多少フォームやスイングの軌道が良くなくても気にしない
- 打ち損じや空振りなどのマイナス面の打球を気にしない
つい大人からみてしまうと、子供の悪いところばかり目がついてしまいがちです。実際、私も悪い点ばかり指摘しまい頑張って練習している長男のやる気を削いでしまったことがあります。
そのため、まずは良いところに目を向けるようにしましょう。
また、先にも書きましたが、羽根打ちの目的は当てることの上達です。フォームの修正や型づくりではありません。
上手になってくればもちろん羽根打ちを行いながら、フォーム修正を行うことも問題ありませんが、野球やり始めの時期は一度に2つのことは出来ません。
ですので、練習の目的を分けて考えたほうが効果があがります。
さらにできることならば、羽根打ちを行う回数をできれば数えておき、何回良い打球が飛んだか数えて打率などを計算すると子供達の成長が見えやすいので、ざっくりでいいので計算してみることをオススメします。
以上、今回は素振りと羽根打ちの目的の違いについて書いていきました。
自宅での練習は、教える側の考え方や目的のもたせ方次第で子供成長度も変化します。
また、子供の練習への継続意欲も変わってきます。
まずは楽しむこと、子供がまたやりたいと思ってもらう事を重視し、自主練に取り組んでみてくださいね。
継続が一番の成長要因です!