目指せ!ピッチャー!
少年野球をやっている子供達にとって、ピッチャーというポジションをやってみたいと思っている子供は多いと思います。
今回は私が少年野球のコーチをやらせて頂いている中で、ピッチャーを目指す子供達に向け、是非習得してほしい点について語らせて頂きます。
まずはコントロール!
ピッチャーを目指すにあたり、まず一番に身につけてもらいたいものは、コントロールです。
少年野球おいて、良くある敗戦パターンに、以下のようなものがあります。
- ノーアウトもしくは1アウトランナー無しから四球で出塁
- 盗塁でランナー二塁へ進塁
- 盗塁やバント、送りバッティングでランナー3塁
- ランナー三塁で失投し、パスボール、もしくはワイルドピッチで1点
上記ケースが複数回発生し、バッティングで逆転しきれず敗戦・・・。
非常に悲しいパターンではありますが、かなりの割合でこのケースの試合は目にする事が多いです。
こういった試合展開を無くすためにも、まずは丁寧に低めにストライクを投げられるコントロールを身に付ける事がピッチャーとしての第一歩だと考えます。決してスピードは必要ありません。
目安としては、15球投げて7、8割(10球以上)ストライクが入れば、この段階はクリアできたかなという感じです。
三種類のストレート
ある程度コントロールに自信がついてきたら、次は緩急をつけてピッチングを組み立てられるようになる事を目指してみて下さい。
少年野球では変化球を投げる事は許されていません。
ですが、ストレートの速度を変えることについては問題ありません。
そのため、私個人としては、以下に記載する3種類のストレートを投げられるような状態を目指す事をお勧めしています。
- 通常のストレート(安定的にストライクの入るスピード)
- 少し遅いストレート
- スローボールに近いストレート
私の長男(執筆時点で四年生)には上記の3種類を投げ分けられるように指導をしていますが、もし早いストレートと通常のストレートを投げ分けられるお子さんであれば、その投げ分けも有効です。
基本的にバッターの心理として、このピッチャーは速い球と遅い球を投げ分けてくるという事が分かると、少なからず迷いが生じます。
そのため、その心理を植え付けるためにも、球にスピード差があるとかなり有効に機能します。
まずはこの通常のストレートとスローボールに近いストレートをを投げ分けられるようになることを目指してみて下さい。これだけでも、少年野球においてはかなりの効果があるはずです。
では、少し遅いストレートは?
少し遅いストレートの有効性
この球の効果は、バッターを打ち取るために必要な球になります。
例えば、ツーストライクまでを通常のストレートで追い込んだ場合、三球勝負で攻める時に、もう一度通常のストレートの球を投げるのはなかなかの勇気が必要です。
かなり速い速球を投げられる子であれば別ですが、少年野球のピッチャーが投げる平均前後の球速であった場合、3回連続で投げる球にはバッターもタイミングを合わせてきます。
そのため、その時に少しだけ抜いた球を投げられると、バッターはタイミングがずれて空振り、もしくは引っ掛けて内野ゴロになる事が多ります。
また、少し遅いストレートが機能するのは下位打線です。
通常のストレートが8割の力で投げる球であるとするなら、最初から最後までこのレベルの球を投げ続けることは、スタミナを早く使い切ってしまうということになりかねません。
そのため、下位打線のバッターで打ち取れそうだ感じる打者には、少し遅いストレートで打たせて取るという事も必要になってきます。
高学年になってくれば、このあたりの駆け引きもできるようになって欲しいですが、4年生以下くらいであれば、まずは投げ分けることができることを目指し、次のステップへの一歩を踏めるようにしましょう。
終わりに
野球を始めた大半の子供達にとって、ピッチャーとは憧れのポジションだと思います。
また一方でコーチの目線から考えると、これからの少年野球においては、怪我の予防等を考慮した複数人体制での投手育成が必要である時代になっていきます。
確かに球速の早いボールを投げられる子はそれだけで可能性を秘めているお子さんであると思いますが、スピード早いだけでは良いピッチャーになれません。
コントロールや緩急を磨き、安定した投球を続けられる事こそ少年野球における、ピッチャーの重要な要素になると私は考えます。
肩が悪い・球が遅いからといってピッチャーを諦める必要はありません。
是非積極的に挑戦して下さい!あなたなりのピッチャーを目指しましょう!