ピッチ・スマート(Pitch Smart)という指標

私が野球の記事を書くにあたり、一番最初に書きたいと思っていた内容が投球制限についてです。

何かと酷使し続けてしまうピッチャーの肩・肘を守るために参考にして頂きたい指標をご紹介します。

 

日本における少年野球においては基本的に回数(アウト数)制限が浸透しており、高学年では5回(15アウト)まで、4年生以下での大会においては3回(9アウト)までという制限があります。

(上記のルールは地域や所属団体によって異なる場合があり、投球数を指標にしている場合もあります。)

つまり、規定回数に達するまでは何球でも投げることが可能であるため、状況によっては高学年の5回までといってもかなりの球数を投げる可能性があります。

 

過密なスケジュールで進む少年野球大会

投球数に加えて、少年野球の大会はかなり過密で非常にタイトなスケジュールで大会が進んでいきます。

私が所属している地域を例に取ると、3月頃に春の大会が始まり、9月頃の秋季大会までほぼ毎月と言っていいほど大会があります。

 

そのため、決勝戦へ進むような強豪のチームにおいては、ダブルヘッダーで試合が開催され、主軸のピッチャーが連投するという自体も決して少なくありません。

 

チーム事情により、どうしても投げなければならない状況もあるかとは思いますが、未来のある子供達のケガのリスクを減らすために、是非参考にしていただきたいページがありますので紹介させて頂きます。

ピッチ・スマート(Pitch Smart)

みなさんはピッチ・スマート(Pitch Smart)という言葉をご存知でしょうか。

MLB.comのページ内にあり、野球をしているお子さんをもつご両親やコーチに向けて、未来ある子供達のケガや身体の過剰酷使を避けるために情報提供してくれているページです。

 

特にその中で、是非参照頂きたいのがピッチング・ガイドライン(Pitching Guideline)になります。以下の指標を提供してくれています。

 

  • 年齢に応じた最大投球数(“Daily Max (Pitches in Game)”)

     

  • その日に投球した投球数に応じて、休息をするべき日数(ノースローデーにするべき日数)

 

以下は、英語のページとなってしまいますが、ピッチ・スマート(Pitch Smart)のページとなりますので、よろしければ御覧ください。

とてもありがたいことに、奈良野球少年を守る会様のサイトにて日本語訳が記載されていますので、英語がムリ!という方は以下のサイトを参照されると良いかと思います。

 

 

指標を知ってできることを考える

各チームにおける指導方針、ピッチャーができる選手の数、試合スケジュールなどによって、どうしてもたくさん投げなければならない日などもあると思います。

 

ですが、そのような状況においても、少なくともピッチングガイドラインと比べ、どれだけ多く投げ過ぎているかはわかります。

 

ガイドラインよりも多く球数を投げてしまった後には、いつもよりもノースローデーを多く取るといった事もできるかと思いますので、是非参考にして頂ければと思います。

 

私は主に低学年の子供達に向けた指導を担当しています。
そのため、対象とする子供達は10歳以下となるため、練習試合のあった日にピッチャーをした子供達には3日以上は投げないように心がけています。

 

 

子供達の未来を見据えていこう

少年野球を教えていると、つい今目の前の試合の勝利を最重要視して考えてしまいがちで、油断すると子供達の身体を酷使してしまっている事があるかもしれません。

 

今少年野球をやっている子供達が本当に輝くべきタイミングはもっともっと先です。

 

今、目の前の試合を勝ち進むために頑張ることも重要ですが、子供達の未来を見据え、ケガや極度の疲労を避けるための指標として、このピッチ・スマートが浸透することを切に願います。

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