Why Digital Matters?
「Why Digital Matters? ~ “なぜ”デジタルなのか~」を読み終えましたので、感想等書いていこうと思います。非常に勉強になる一冊でした。
本書を読もうとしたきっかけ
「DXとは何か?」という自分なりの答えを探す手がかりとして読んでみようと思ったことがきっかけです。
私は自社の情シス担当ですが、自社の部内でも読むことを推奨されている一冊だったからというのも理由として20%くらいあります。。。
読書からの気づき
非常に事例が豊富で読破に苦労しましたが、私がこの本から得た気づきは以下のようなものがありました。
- 「ヒトではなく、電子を走らせろ。電子は疲れない」
サッカーの言葉から来ているようですが、この本のテーマをよく表している言葉です。DX(デジタルトランスフォーメーション)における、今後のKeyとなる表現ですね。 - デジタル・イノベーションとは?
『「自社の技術や事業」に「デジタルと総称される技術やデジタルを生かすアイディア」を掛け合わせて、新たな価値を創出するもの』であるということです。デジタル化はもはやデジタルに直結するIT業界のみで起きているものではなく、デジタルの分野以外のイノベーションと掛け合わせることができるようになりました。 - ソフトウェアは自社開発したら負け
実用に足る市販ソフトウェアがある場合、それを使わずに自社開発を正当化することは難しいと本書は伝えています。もはやスクラッチで一からアプリ開発をするという事は、よほどのことがない限りメリットを説明することが難しく、ベストプラクティスの集約でもあるパッケージソフト利用するメリットの方が利用側、提供側双方においてあるということを理解しました。 - インダストリー4.0で視野に入れているもの
『デジタルの力を利用して企業内の業務プロセスや企業間をシームレスにつなぎ、全体最適を実現すること』と本書は述べています。これまでは工場の中”だけ”に留まっていたデジタル化を、前後工程にまで踏み込んでデジタライゼーションを起こすことが必要であり、日本ではまだそこまで至っていないという状況だということです。これはまさにその通りで、私の所属する部署においても、如何にシームレスに営業工程からサービス・オーダー、ビリング~会計計上までを一気通貫でデジタル化をできるかという課題は非常に重要な課題の一つとして捉えられています。
- デザイン思考は「手法」ではなく「マインドセット」
私はまだデザイン思考に疎く、細かい内容を理解できていないのですが、IT業界において「デザイン思考」という考え方は非常にホットなワードです。本書においても『良いデザインは課題解決をより良く解決するアウトプット』であることを強く説いており、デザイン思考の重要性を再確認しました。
他にも理解しなければならない箇所は、多々あるのですが私が読了した時点では、上記の内容が印象的でかつ頭に入ったインプットでした。
本書を読み終えて
「DXとはなにか」という答えを探すために手にとった一冊でしたが、本書のテーマである『ヒトではなく、電子を走らせろ』というメッセージが最初は漠然とした理解でしたが、読み終えた頃には多少なりとも理解できたと思います。
これまで情シスの顧客である、利用部門の現場の声を聞くことが一番重要と学んできた私にとって、『現場の声を聞いてはいけない』という言葉は非常に衝撃的でした。
ですが、それが電子を走らせるて仕事をする第一歩であり、そしてそれが『事業を自らが破壊し想像していく』ために必要不可欠なのだと、今は考えています。
同業者の方で、私と同じ悩みをお持ちの方にとって、本書は様々な事例や考え方、日本におけるデジタル化の現状が定量的に説明されており有益になることは間違いありません。
他業界の方にとっても、デジタル・イノベーションとは何かを学びたい方には、是非読んでほしい一冊だと考えています。